0→1

去年の年末、社内忘年会が開かれました。
ある社員の話の中で、
“アート” と“デザイン” の違いは?という問いが投げかけられました。
この問いに対して、どのように考えますか?
そこで出た答えは、
「“アート”は自分の作りたいものを作る。“デザイン”は人ありきで作る。」
というものでした。
アートを生み出す、アーティスト。デザインを生み出す、デザイナー。
双方ともにクリエイティブなイメージはありますが、似て非なるものと言っても過言ではないのでは?と考えさせられました。
それは、作るという行為に対してのモチベーションが内外(あるいは自他)どちらなのか?という関係性の違いがあるからです。
誰のために作るのか?何を作るのか?何のために作るのか?そしてどうやって作るのか?
作るということの前に、感覚・感性からではなく、何よりもまず考えること、
それが重要なのがデザインです。
なぜなら、誰かのために作るからです。
または誰かになりえる具体性のある自分のために作るからです。
まず考える、それは、今ない何かを求めている人と話をすることで始まります。
その求めている何か、つまり理想についての対話(コミュニケーション)により
デザインは、0から0.0001に立ち上がっていきます。
そのまだ漠然としている理想の因数分解を、対話をする中でお手伝いをすること、
言葉の中の言葉を引き出すことができるのが、デザイナーではないかと思います。
対話の積み重ねにより、デザインとして視覚化され、またさらに共通認識の具体性を上げた対話ができるようになる。
デザイナー独自のオリジナルのものではなく、対話によって生まれたオリジナルのデザインであれば、0から1に双方ともから立ち上がらせることができる。
それが0→1のデザインではないかと思います。